登録販売者の試験を合格し、社員になったが入社して数年で退職するケースが今増えています。その理由の多くは何なんでしょう?実際に辞めた人の意見を交えて紐解いていきましょう。
入社前の登録販売者社員のイメージ
- 薬の販売・接客が主な仕事内容
- 薬以外は登録販売者以外の仕事内容
- 登録販売者手当が熱い
- 接客で困った時は薬剤師に振ればいい
など、さまざまなイメージをお持ちの方が多いですが、実際とイメージと違うケースが多々あります。
ドラッグストアはお薬だけではない
ドラッグストアは、医薬品がメインと思われがちですが、化粧品や、日用雑貨、食料品など多種多様な商品が置かれています。
その割合は、年々変化しつつあり、2019年現在ではスーパーのように食品の品揃えが多くなり、店全体の食品構成比が50%を超えるお店もたくさん出てきています。
ゆえに、ドラッグストアで務める社員のほとんどの方は、お薬だけではなく、食料品を何らかの形で触れたり、商品を発注したり、補充したりしています。
また日用雑貨も近年では種類が増えつつあり、大容量の洗剤の詰め替えが多くのドラッグストアで見かけます。
登録販売者の社員は、医薬品だけでなく、それ以外のカテゴリーも担当したり、商品を補充したりします。
良い風に捉えれば、「医薬品以外も触れる機会がある。」と捉えることができますが、登録販売者を取得した理由が医薬品のスペシャリストになりたい。とかだと、痛い目にあうパターンに陥ります。
新入社員〜若手社員の負担について
ドラッグストア業界はずっと右肩上がりで成長している業界ではあります。それは店舗がどんどん増えて行っているのもありますが、店舗スタッフに求められるレベルが上がっているとも捉えられます。
今10年前と、スタッフの時給を比べてみるとわかりますが、人件費は日本の最低賃金が底上げされているため、増えています。そのため、人件費が高くつくため、それ以外でカバーしなければなりません。
カバーする方法として考えられるのは
スタッフのスキルを上げる
仕事のスピードや正確性、接客対応や、適切な判断など、無駄やムラをなくす。販売スキルをアップさせる。などが挙げられます。
人員カット
時給がアップすることによる人員削減。作業効率が落ちるので、スタッフの負担が増加
社員のサービズ残業
仕事が時間内に終わらず、タイムカードを切ってサービス残業をするケースがあります。基本的にこれは今のご時世NGかと思いますが、未だにやっているところもあるそうです。
若手社員は、店長や、上司の雑務を請け負うことが多いので、自分の担当+雑務が負担となるケースがあります。
知らないうちに部下が仕事を辞めたい!と言ってきた時は、知らず知らずの間に部下へ仕事を振りすぎている可能性があります。
若手社員が仕事を辞めたいと思う理由(上司編)
上司だから部下に仕事を振るのは当たり前だ!と思っている店長や社員がいたらそれは間違いです。
新入社員や2・3年目の若手社員は、上司であるあなたの動きをよく見ています。
「こんな店長になりたい!」「先輩のようになりたい!」
と夢と希望を持って若手社員は働いています。
そこだけは忘れないでください。
仕事を振るだけ振ってあとは放置する上司
上司からすると仕事を部下に振って、やり遂げて欲しい!自分の思う形を作って達成して欲しい!と仕事を振ったつもりが、結果は散々。
挙げ句の果てに、「やる気あるの?」と投げかけて、部下のメンタルはボロボロ。
結局その部下は仕事を辞めてしまいました。
辞めた理由もその上司に明かすことはありませんでした。
原因はどこにあったでしょうか?
これは良かれと思って振った仕事内容でしたが、その部下は上司に相談することなく自分で悩んで色々試行錯誤した結果、結果を出すことができませんでした。
上司は、部下が悩んでいることに気づかずに、悪いところを指摘するだけでした。
部下が悩んでいることに気づいていれば・・・
仕事のやり方をアドバイスしていれば・・・
と思いますが、上司がした事は言わば仕事の丸投げと言われるものに当たります。
このように、部下にアドバイスや、部下のミスもカバーできない上司が近年では増えているのが現状あります。
それでは部下も育ちません。
ベテランパートのアドバイス
ドラッグストア業界は、成長を続けていますが、そんな中ずっとお店は営業しています。
オープンしてから20年以上も経っているお店も多数存在しており、そこで働くパートスタッフさんも20年選手がたくさんいます。
20年以上もそのお店で働いていると、店長以上にお店に詳しかったり、過去のやり方に固執したりするスタッフが多いのも事実です。
新入社員としてはベテランのスタッフさんがいるお店は、いろんなことを教えてくれるので助かる!という意見をよく耳にしますし、それも一理ありますが、裏を返せば、私がやってきたやり方をしたら間違いはないわよ!と捉えることもできます。
店長や上司に恵まれていても、ベテランパートさんの圧力によって、店の方向性を変更させられたりするケースもあり、新入社員や若手社員も、その波に流されてしまい、いいなりになってしまうケースもあります。
自分が納得して作った売り場でも、ここはこうしたほうがいいんじゃない?というツッコミが耐えられなくなって辞めていく若手社員もいます。
社員がいないお店・会社
ドラッグストア業界にはいろんなお店があります。
社員がたくさんいるお店
社員3人がベースで、早番一人、遅番一人、休み一人でシフトを回すお店
社員が二人のお店で、一人出勤が当たり前で、もう一人の社員の出勤がかぶる日は月に数日というお店
社員が一人で、パート登録販売者さんとの連携で、お店を回している店舗
社員がいなくて、パートさんが店長を務めているお店。社員はエリア長さんだけ。
など様々です。
社員が少ない企業だと、お店に登録している社員が二人以下で、若手社員もその餌食になる会社もあるそうです。
入社2・3年目でお店を一人で回すのが当たり前!と思う人もいるかもしれませんが、精神的負担はすごく大きいです。
10年目のベテラン社員がお店を一人で切り盛りするのとは訳が違います。
何かトラブルがあった時に対処できる精神力が尽きた時は、仕事を辞めたいと思う若手社員が多いようです。
まとめ
店舗に勤める若手社員が仕事を辞めたくなる理由をいくつかあげましたが、他にも実在します。
自分がそれに当てはまっていないか確認してみてください。
ドラッグストアで社員になりたい!と思う人は、一つの店舗だけでなくいろんな店舗の形を見ることをお勧めします。
私が経験してきた店舗では、店舗毎でやり方や、スタッフのスキルレベルも違います。
上司の当たりはずれもあると思います。
異動することでその上司から離れることも出来ます。
可能であれば異動願いを出すのも一つの方法です。
悩んでいる人がいたら、人事部や労働組合に相談するのもアリかと思います。
健闘を祈ります。